孤高の凡人

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孤高の凡人

On the Road

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メサイアと俺

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私は建設業で働いている。

建設業といえば、ひとたび電車に乗れば女子高生に「きったなー」「くっさー」「呪われろ」と罵られ、石や、パン、魚、リップクリーム、アナスイの香水のキャップ、ジバンシーのファンデーションの蓋などを投げられて、泣きながら車両と車両の間に避難、そのまま線路に飛び込みたくなるような下の下の職業ある。

辛い。悲しい。でも仕方がない。

私達は過去に様々ないけない事をしてきたよね、例えば、愛想の悪い店員がいるコンビニのうまい棒を親指で力強く押して、これを粉砕させたり、選挙のポスターを固定する為に周囲に貼られている星っぽいシールを剥がして、それを目に貼り付けて万華鏡写輪眼みたいにしたりと、様々な業をツムツムしたよね。ディズニーツムツムしたよね。

このような事をしていたからイエス様に、「お前にはもうパンあげへん」と言われ、マザーテレサに、「さすがにフォローしきれへん」と言われ、挙句の果てにガンジーに助走をつけて殴られたりするのである。

故に私は自身のツムツムした業を刈り取る為、自分のケツは自分で拭くぜと、建設業で汗水や、糞尿を垂らして頑張っているのである。

しかしね、ようやく私にも春がきた。梅が咲き、桜が乱れ、虫や鳥、鯖や鰯が元気に天空を飛び回る春がきたのだ。

私はとても嬉しい。喜んでいる。ついに現れたのだ、『救世主』が。

『エホバの証人』と名乗る二人のおばはんは、ヨネスケより先に私の家に突撃して、高橋名人より早く玄関のベルを連打した。

おばはん等曰く、おばはん等は神に最も愛された団体に所属されているらしく、マジで凄い。やっぱオーラが違うわ。と私に思わせた。

おばはん等は自分たちこそが聖書を最も正しく理解しているぜと、ビートルズをディスる、ノエル・ギャラガーのような発言をして、その勢いを見せつけた。

更にはハルマゲドン、つまり世界はそのうち楽勝で滅亡するけど、私達の団体に所属する事によって、ギリギリセーフな感じになると。

ゴゴゴって世界が歪み地面が割れ、切羽詰まった感じの時にこの団体に所属していないと、ノアの方舟のエコノミークラスの席すら確保出来ずに、飛び立つノアに向かって「のりまぁす!」と言ったところでその声は船長には届かず、割れ目に落ちて死ぬ。雷に打たれ死ぬ。

更に、ハルマゲドンが通過したあとは、ライオンとか虎、あとミックジャガーのような肉食動物は全て優しく、穏やかな草食動物になって、我々と同じ空間で共存できるらしかった。

嬉しいなぁ、おばはん等にはもっと早く来て欲しかった。いや、私が努力をしたからこそ、神がおばはんという天使を派遣したのだろう。顔が悪魔の。

最後におばはん等は私のような下の下、ゲノゲの鬼太郎に対して、これからは普通の人と同じようにココイチでおくらをトッピングしたり、吉野家で生姜を沢山のせてもいいよ、というニュアンスの事を言い、祈らせて下さいと手を合わせ、私の為に祈って下さった。

私はその間、少しでもそのありがたい祈りから放たれるマイナスイオン的なものを身体中に浴びる為に、GLAYのボーカリストのキメポーズをとった。

その光景を見たお隣さんが、ヤバイものを見てしまったという表情で、そそくさと家に入って行ったが大丈夫。

私は隣人を愛しているし、迫害する者の為に祈るから。

 

(この文章はおばはんが祈っている間の24分で書かれた)

 

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